数字は語る。Excelで「KPIを説明できる人」になる方法

Excel実務

営業会議で「この数字、なんで下がってるの?」と聞かれて、
答えに詰まった経験はありませんか?

数字を集計して、報告できるようになった。
でも“なぜ”の説明ができない――。

僕もこの壁に何度もぶつかりました。
数字は出せても、語れない
この記事では、Excelを使って「数字の背景を説明できる人」になるための考え方を紹介します。


KPIを「並べる人」と「説明できる人」の違い

多くの人が“KPIを出す”ことに満足してしまいます。
でも、上司が本当に知りたいのは“変化の理由”です。

上司:「先月より商談数が減った理由は?」
担当:「……すみません、集計しかしてなくて」

この会話、僕も何度もしてきました。
Excelの表はあるのに説明できない――
それは“分析の切り口”が足りないからです。


七段活用③:「KPIを分解して説明できる」段階とは

Gridderでは、営業企画や業務推進の成長を7段階に整理しています。

① 進捗がつまずく
② 全体の進捗が出せるようになる
③ KPIを問われて詰められる
④ KPIを分解して説明できる ← 今ここ
⑤ 詳細分析が求められる
⑥ 着地見込みを問われる
⑦ PLとの連動に至る

第3段階のテーマは「なぜ」です。
数値を分解し、変化の要因を言語化すること。
つまり、“数字に物語を与える”ことが目的です。


Excelでできる「要因分解」の基本構造

数字の変化を説明するためには、「どの要素が原因か」を切り分ける必要があります。
代表的な方法が「要因分解」です。

たとえば、売上が前月比90%に落ちたとします。
このとき「商談数・受注率・単価」のどこに要因があるかを分析します。

要素前月今月変化増減要因
商談件数10080-20%数量要因
受注率30%28%-2pt質要因
平均単価400,000420,000+5%単価要因

これだけでも、「売上が落ちた理由」が明確になります。
Excelでこの分解を自動化すれば、説明のスピードが劇的に変わります。


ピボットテーブル×差分分析で“語れる表”を作る

Excelのピボットテーブルを活用すると、
数字の「前月比」「要素ごとの寄与度」を簡単に見える化できます。

おすすめは以下の3ステップ:

  1. 月別 × 担当者別に売上構成を出す
  2. 前月比(Δ)列を追加して増減を算出
  3. 数量・率・単価の要素ごとの寄与を出す

グラフを併用すれば、数字の変化が感覚で理解できる可視化になります。

📂 次回配布予定テンプレート:
Gridder_KPI分解テンプレート_基本版.xlsx


“語れる分析”は説得力を生む

数字は、責めるための武器ではなく、理解するための道具。

数字を分解していくと、「何を改善すればいいのか」が見えてきます。
「減った」「増えた」で終わる会話が、
「次にどう動くか」という改善の議論に変わるんです。

“結果を出す人”より、“理由を語れる人”が信頼される。
これが、Excelを使う本当の価値です。


Gridderとしての考え方

僕は、数字を出すことが目的だった時期がありました。
でも、本当に大事なのは“数字を使って考える”こと。

Excelは、考えるための最高のツールです。
数字を整え、背景を説明できるようになることで、
仕事が「報告」から「提案」に変わります。

どんなに泥臭くても、
数字を整理して、語れる人になろう。

Gridderは、そんな“考える現場”を支えるメディアでありたいと思っています。


次回予告:七段活用④「詳細分析が求められる」へ

次回は「説明はできるようになったけど、分析が浅い」と言われるフェーズ。
Excelの関数やAIを活用して、分析の深度を高める段階を解説します。

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