営業会議でよくある光景。
「今月の進捗は?」と聞かれた瞬間、資料を開いても何も出てこない。
数字は入力しているのに、全体の流れが見えない。
僕もかつて、そんな状態でした。
案件はあるのに、着地見込みが出せず、結局“詰められる”。
Excelが嫌いになりかけた時期です。
でも、実は“進捗が見えない”のは努力不足ではなく、設計不足です。
営業進捗は「データ構造」から見直せば、誰でも整理できます。
営業進捗がつまずく3つの理由
営業進捗が混乱する原因は、怠慢でもミスでもありません。
実務では、次のような構造的な問題がほとんどです。
- 各営業が独自フォーマットで管理している
- 入力項目が曖昧で、集計できない
- 進捗を見るための「全体設計」が存在しない
僕自身、最初は“集計表をきれいに作ること”ばかり考えていました。
でも本当に重要なのは「どう整理すれば集計できるか」。
つまり、“集計される前提で作る”という考え方です。
七段活用①:進捗がつまずくフェーズとは
Gridderでは、営業管理の成長過程を7段階に分けています。
① 進捗がつまずく
② 全体の進捗が出せるようになる
③ KPIを問われて詰められる
④ KPIを分解して説明できる
⑤ 詳細分析が求められる
⑥ 着地見込みを問われる
⑦ PLとの連動に至る
この記事では、最初の段階「①進捗がつまずく」に焦点を当てます。
数字が見えないのは、データが設計されていない状態。
ここを突破できれば、Excelの本当の力が見えてきます。
Excelで作る、進捗の“見える化”テンプレート
進捗管理をうまく進めるための第一歩は、シンプルな構造の表です。
| 案件名 | 担当者 | ステータス | 受注確度 | 金額 | 次回アクション日 |
|---|---|---|---|---|---|
| A社システム導入 | 田中 | 見積中 | 60% | 2,000,000 | 10/15 |
| B社更新対応 | 佐藤 | 商談中 | 40% | 800,000 | 10/18 |
このような形で
- 「案件ごと」
- 「ステータス」
- 「確度」
- 「担当者」
を揃えて入力すれば、ピボットテーブルで自動集計できます。
さらに、「データクレンジング基本セット」で紹介した関数を応用すれば、
入力の揺らぎも防げます。
📂 参考テンプレート
(※次回配布予定:「Gridder_営業進捗管理テンプレート_基本版.xlsx」)
データを“整える”だけで、会話が変わる
「集計を自動化する」ことは目的ではなく、スタートライン。
進捗を見える化すると、チームの会話が変わります。「今どこで止まってる?」
「どの案件を優先すべき?」これまで“感覚”で語られていた会話が、数字で整理されるんです。
Excelは地味です。
でも、その地味な整備が、組織の成果を変えていきます。
そして、その最初の一歩が「進捗を見える化すること」なんです。
Gridderとしての考え方
僕は、何でも泥臭くやってきました。
数字が合わない日々の中で、Excelを通して「仕組みで整える力」を学びました。
進捗管理は、努力の見える化。
その設計ができる人は、チーム全体を前に進める人です。
Gridderは、その“泥臭い努力”を形にしていく場所です。
あなたのExcelが、チームを支える仕組みになりますように。
次回予告:七段活用②「KPIを問われて詰められる」へ
次回は「全体の進捗は出せるようになったが、KPIを聞かれると答えられない」フェーズ。
現場で最も多いこの課題に対して、KPIの可視化設計を具体的に解説します。


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