「なんでこれ、紙でやってるんだろう?」僕の業務改善はここから始まった

業務改善と聞くと、大きなシステムを入れたり、難しいプログラムを書いたりする話に見えるかもしれません。

でも、僕の最初のきっかけは、もっと地味でした。

「なんでこれ、紙でやってるんだろう?」

目の前の集計作業を見て、そう思ったんです。当時の僕はExcelの専門家でもなければ、仕事が何でもできる人でもありませんでした。むしろ、営業がうまくいかなくて、自分に向いている仕事って何だろうと思っていた頃です。

営業は苦手。Excelも、最初から得意ではなかった。

22歳頃、新しく立ち上がった事業部で、アポインターの仕事をしていました。

営業成績は良くなくて、「自分は営業には向いていないな」と感じていました。仕事で人と話すことも、実はあまり得意ではありません。

そのあと営業事務へ移り、仕事で必要になって、先輩にCOUNTIFSやSUMIFSを教えてもらいました。条件に合う件数を数えたり、数字を合計したりする関数です。

Excelを勉強したくて始めたというより、仕事を進めるために覚えた。僕のスタートは、そんな感じでした。

書いて、数えて、また集める。

当時、アポインターは電話の結果を紙に記録していました。1時間ごとにシステムから架電数を確認して、紙へ記入。数時間ごとに集計し、一日の最後には電卓などで数字をまとめて、リーダーに報告していました。

リーダーも、メンバーの紙から数字を集めていました。一人ひとりが集計して、その数字をさらに誰かが集める。振り返ってみると、集計のための作業があちこちにあったんですよね。

そこで思ったのが、「なんでこれ、紙でやってるんだろう?」でした。

紙でなければいけない理由があったわけではありません。単純に、それ以外の仕組みを作った人がいなかったんです。

誰かが悪かった、という話でもないと思っています。日々の仕事を回していると、今あるやり方を見直すところまで、なかなか手が回らないこともあります。

入力したら、集計も終わるようにしたかった。

そこで、Googleスプレッドシートを作ることにしました。教えてもらったCOUNTIFSやSUMIFSを使って、入力した内容がそのまま集計につながる形にしました。

やりたかったのは、「すごい表を作ること」ではありません。みんなが数字を数え直す時間を、少しでも減らしたかったんです。

結果として、メンバーの集計時間が減り、その時間をトーク練習などに使えるようになりました。リーダーが数字を集める作業も、ほぼなくなりました。

自分は営業が得意ではなかったけれど、営業する人が使える時間を増やすことはできる。自分の関わり方は一つだけじゃないんだな、と感じられる経験でした。

ただ、最初から「便利!」とは言ってもらえなかった。

ここだけ読むと、きれいな成功談なんですが、そんなにすんなりはいきませんでした。

最初はエラーも多くて、「使いづらい」と言われたこともあります。集計できる仕組みを作ったつもりでも、それだけで使いやすくなるわけではなかったんですよね。

作った側は、どこに何を入れるかも、どう動くかも知っています。でも、使う側はそうではありません。

この経験で強く残ったのは、「作った人にとって便利」と「使う人にとって便利」は違う、ということでした。

自分の中では完成していても、実際に使う人の仕事の流れに合わなければ、別の手間を増やしてしまうこともある。仕組みを作った時点で終わりにはできないんだと学びました。

今は、表を作る前に仕事の流れを見ます。

そのあと、顧客管理のデータを整理して日々の実績や月間の着地予測を見られるようにしたり、営業から営業事務への引き継ぎを紙からスプレッドシートへ変えたりしました。獲得した案件と営業事務側の顧客管理をつなげることにも取り組みました。

そういう経験を重ねるうちに、集計する部分だけでなく、その前後の仕事も見るようになりました。

今、誰かに「この仕事に時間がかかる」と言われたら、最初から「Excelで何とかしよう」とは考えません。

  • どの作業に、なぜ時間がかかっているのか。
  • 誰が入力して、誰がその情報を使うのか。
  • 一か所を変えると、ほかの人の仕事にどんな影響があるのか。
  • 全部を変えなくても、手間を減らせるところはないか。

こうしたことを確認してから、何を変えるかを考えます。大きく作り直すより、影響する範囲を小さくしながら、効果の大きいところを見つけたいと思っています。

今なら、最初から一人で100点を目指すより、20〜30点くらいの段階で使う人に見てもらいます。「そこじゃなかった」が早く分かれば、直すのも少し楽になります。

最初の一歩は、小さな「なんで?」でもいい。

僕はめんどくさがりなので、同じ数字を何度も数えたり、同じ内容を書き直したりすると、「もう少しどうにかならないかな」と思ってしまいます。

その気持ちは、仕事を見直すきっかけにもなるんだと思います。もっとも、掃除のほうは相変わらず苦手なんですが。

もし、毎日の仕事で引っかかっている作業があれば、一つだけ「何のためにやっているんだろう」と考えてみてください。すぐに解決策が出なくても大丈夫です。

もちろん、紙を使う理由がある仕事もあります。先に理由を聞いてみて、変えてよさそうなら、小さく試す。使う人の話を聞いて、直す。その繰り返しで、少しずつ進めていけるんじゃないかなと思っています。

僕の業務改善は、紙の集計を見て浮かんだ一つの疑問から始まりました。Gridderでも、そんな身近なところから、仕事の困りごとを考えていきます。

道具との付き合い方については、「Excelを勉強しなくていい」と、Excelで仕事を変えてきた僕が思う理由にも書いています。僕のことは、運営者プロフィールへ。

自分の困りごとを整理したいときは、困りごとから探すや、質問・相談も使ってみてください。

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